便秘で腰痛?便秘がもたらす体の不調と注意すべきケース

便秘で腰痛?便秘がもたらす体の不調と注意すべきケース

腰痛がひどくなってきたな、と思ってはいませんか。もしも便秘気味ならば、その腰痛の原因は便秘かもしれません。これまでのことを思い出してみてください。便秘のときに腰痛を感じるようならば、その腰痛の原因は便秘の可能性が高いです。

便秘から発生する可能性の高い他の症状やその理由について解説します。




1.便秘と腰痛の関係性

整骨院や鍼灸院で、体の各器官と背骨の関係を示した図を見たことはないでしょうか。また、首や背骨を骨折した方が全身麻痺・下半身麻痺となってしまうこともご存じでしょう。これは、背骨に通る神経と各器官とが深い関係にあることを示しています。便秘と腰痛には、どのような関係があるのでしょうか。

1-1.便秘による身体的ストレスが腰周辺の神経に伝わる

便秘による身体的ストレスが腰周辺の神経に伝わる

熱い物や過度に辛いものを食べたとき、胃と背中の痛みを感じたことはありませんか。これは胃に感じたストレスを神経が感じ取っている結果です。これと同じように、便秘がひどくなると、腸を司る腰の骨周囲の神経が腸のストレスを感じ取り、腰にまで痛みが起こることがあります。

1-2.心理的ストレスにより腰痛が起き、便秘を起こす

心理的ストレスは交感神経・副交感神経のバランスを乱します。それにより、腸が便を送り出す蠕動運動(ぜんどううんどう)が鈍くなったり、逆に過度になり痙攣を起こしたりすることがあり、いずれも便秘を起こしやすい状態です。特に腸の痙攣は、腰痛を引き起こす原因となりがちです。

1-3.運動不足

運動不足

運動不足は、腰回りの筋肉を弱らせ蠕動運動をも低下させてしまいます。さらに腰の筋肉量が落ちることで腰の骨を正しくキープできなくなり、このことから「便秘」「腰痛」を同時に患うこともあります。便秘と腰痛とが直接的な関係になくとも、運動不足がこれらを同時に起こす条件を引き起こすことがあります。

1-4.椎間板ヘルニア

一般的に「ぎっくり腰」と呼ばれる椎間板ヘルニアを経験したことはありませんか。椎間板ヘルニアとは、背骨と背骨の間に神経が飛び出て、それが骨に圧迫されることで痛みを発するものです。

椎間板ヘルニアにより神経が押されてしまうと、その部位に対応した臓器に大きな影響を与えます。腰ならば便や尿の排出トラブルを起こすことがあります。

2.人により頭痛や吐き気、腹痛、下痢といった症状を繰り返すことも

便秘がひどくなると、腰痛だけでない、他の症状を引き起こすことがあります。便秘とそれらの症状の関係は次の通りです。

2-1.頭痛

頭痛

心理的ストレスにより自律神経が乱れると、腸が痙攣する「痙攣性便秘」が起きます。自律神経の乱れは他の部位にも影響を及ぼし、頭痛を引き起こすことがあります。不必要に脳の血管を膨張させてしまうことが主な原因とされていますが、便秘によって腸内の悪性物質が体内を巡ることで肩こりがひどくなり間接的に頭痛が起きることもあります。

特に女性の場合、生理前にはホルモンバランスが乱れて便秘や頭痛を経験することが多いものです。

2-2.吐き気

頑固な便秘状態を呈しているとき、血液の中には悪性物質が多く含まれています。人間の体はよくできたもので、体内に悪いものがあるとそれを体外に出そうとします。そのようなとき、吐き気を催すことがあります。

また、便秘により腸内にガスが多量に溜まると、「もうこれ以上食品を入れたくない」と腸が拒絶反応を起こし、これにより吐き気を感じることがあります。

2-3.腹痛

便が出ない、つまり内部で固くなり排便できない状態であれば、腸の動きが阻害され痛みとして感じることがあります。さらに、腸内でガスが多量に発生し、腸管を圧迫することから腹痛を起こします。

2-4.下痢

便秘と下痢を繰り返す方がいらっしゃいます。

過敏性腸症候群(IBS)という症状であることが多く、意外にも7人に1人がこのIBSであるという推計もあります(IBSとは│アステラス製薬)。そもそも胃腸が弱い体質の人、大腸の蠕動運動が活発な人がこのIBSになりやすいとされています(気にするほど、おなかがゴロゴロ│心療内科・神経科赤坂クリニック)。

2-5.妊婦の便秘と腰痛・腹痛

妊婦の便秘と腰痛・腹痛

妊婦は、妊娠中期から後期にかけて便秘になることが多くあります。赤ちゃんの成長に伴い子宮が拡大すると腸を圧迫してしまい腸の動きも制限されてしまう上、運動不足になりやすいことがその原因です。また、女性ホルモンの影響により、胃腸が動きにくくなることも便秘に繋がります。

便秘という現象は排便回数の減少から推測できるものの、腰痛・腹痛が便秘から来るものか、それとも妊娠にまつわるものかを切り分けて考えることは難しいものです。判断が難しい場合は、定期健診の日以外でも、産婦人科へ相談に行ってください。

3.症状が続く場合には胃腸科で診てもらおう

症状が続く場合には胃腸科で診てもらおう

「腹痛くらいで」と放置してはならないケースがあります。便秘でなく腸の何らかのトラブルからくる腹痛もあるからです。特に、突然のひどい腹痛・吐き気・発熱などを併発するならば、次のような病気が疑われます。

3-1.腹膜炎

腸などを覆う腹膜の中で何らかの原因によって炎症が起こると、ひどい腹痛を感じ、炎症による発熱が起こります。炎症の原因は虫垂炎や胆のう炎が多くを占めますが、腹部打撲や胃潰瘍、消化器系のガンも原因となります。

3-2.腸捻転・腸閉塞

腸がねじれたり、何らかの理由で腸が閉じた状態になってしまうと、食物の通り道が確保できなくなります。初期の症状は便秘ですが、急激に脂汗が出るほどのひどい腹痛を引き起こします。1秒・1分を争う腸のトラブルですので、すぐに胃腸科のある病院へ駆け込んでください。

3-3.子宮筋腫

子宮筋腫は特別な病気ではなく、比較的起こりやすいものです。子宮筋腫が大きくなると、腸を圧迫したり、他の臓器に癒着したりして、便秘を引き起こします。特に癒着を起こした子宮筋腫はひどい腹痛を起こしますし、便秘や血便、発熱を伴うことも珍しくありません。

このような症状を発する前に子宮筋腫を指摘されたことのある方は、婦人科・胃腸科を擁する総合病院で診察を受けることをおすすめします。

まとめ

便秘と腰痛、またこれらにまつわる病気や症状には多くのものがあります。日常的に便秘解消を目指すと同時に、気をつけなければならないこともあります。


  • 精神的・身体的ストレスが便秘や腹痛を併発させることがあり、特に腸の蠕動運動に関わるトラブルが腰痛を招く
  • 慢性的な運動不足が腸の動きを鈍らせたり、椎間板ヘルニアを起こしたりし、腰痛を引き起こすことがある
  • 便秘は腰痛だけでなく、頭痛や吐き気、下痢など様々な現象にもつながる
  • 妊娠中の便秘や腰痛はホルモンの影響、大きくなる子宮が腸などを圧迫することから発生する
  • 腰痛や腹痛が長く続いたり、突然急激に表れたりしたときは、腹膜炎や腸閉塞などが原因のこともあるのでできるだけ早く病院へ